《短編》家出日和

『最初からずっと、亜里沙は俺のだ。』


そう言った俊ちゃんは、あたしをベッドに押し倒して。


そしてゆっくりと、上に乗った。



『他の男には汚されたくねぇと思ってたけど。
ムカつくくらいに反抗ばっかするし。』


服を脱がせた俊ちゃんは、舌を這わしながら上目がちにあたしを捕らえて。


ビクッと反応したようにあたしは、声が漏れる口元を押さえた。



『…いっそ壊してやろうかと思うんだけどさぁ。
いっつも亜里沙、泣きそうな顔してるから。』


「―――ッ!」


まるで独り言のように言いながら俊ちゃんは、

楽しそうにあたしの下着をずらして指を入れる。



『…怖がってる亜里沙見るたびに、罪悪感ばっかでさぁ。
ホントはめちゃくちゃ優しくしてんの、気付いてなかったろ?』


「―――ャ!」


あたしの中を掻き回した指を抜いてひと舐めした俊ちゃんは、

キスを落としながら自身を深く押し入れて。



『…ずっと…亜里沙だけ見続けてきたんだ…。
だから絶対…俺から逃がさない…。』


「…そーゆーの…ッ…狂ってるって…言うんだよ…?」


『知ってる。』


俊ちゃんが、苦しそうに笑うから。


首の後ろに回した手でその背中に爪を立てあたしは、打ち込まれるくさびに果てた。


どうやらあたしも、十分狂ってるらしい。


きっと誰にもわからないだろう俊ちゃんの愛が、

すごくすごく伝わってくるのを感じるから。


果てたあたしを確認した俊ちゃんは、いつもみたいに伏し目がちに優しく笑って。



『…ホントはずっと…愛してたんだ…』


「―――ッ!」


そして、自らの絶頂へと動きを速めた。