終盤になり花火は、何百発もの花を咲かせ続けた。
永遠のようにさえ感じるその姿を、邪魔な高層マンションと一緒に目に焼き付けた。
心臓にまでダイレクトに響かせるその鼓動。
いつの間にかぬるくなった缶が、あたしの左手に水滴を滲ませる。
『…一緒に見たの、初めてだったな。』
余韻に浸るように高層マンションしかなくなった場所を見つめ続けるあたしに、
俊ちゃんはそれだけ呟いて煙草を咥えた。
「…最初で最後、だよ。」
『―――ッ!』
火をつけようとしていた俊ちゃんはその手を止め、
あたしの真意を探ろうと、その視線をゆっくりとこちらに向けた。
だけどあたしは、その視線に合わせることはしない。
何か言おうとしていた俊ちゃんより早く、背中を向けてリビングへと戻った。
明日、この家を出よう、と。
誓った瞬間。
半分ほど残っていたチューハイの缶をひっくり返し、シンクへと流した。
ボトボトとステンレスに響かせる音は、先ほどの花火の音とはまるで違う。
『…何考えてんの?』
あたしの背中に向かい、俊ちゃんは声を掛けてきた。
だけどあたしは、振り返ることもなく言葉を紡ぐ。
「…いつまでも一緒じゃない、って意味だよ。」
あたしの言葉に俊ちゃんは、それ以上は何も言おうとはしなくて。
この夜が明けたら、あたし達の3年に終止符が打たれるんだ。
ねぇ、俊ちゃん…
あたし達はこれから、どんな道に進むんだろうね。
離れてみれば、本当に何かが変わると思う…?
永遠のようにさえ感じるその姿を、邪魔な高層マンションと一緒に目に焼き付けた。
心臓にまでダイレクトに響かせるその鼓動。
いつの間にかぬるくなった缶が、あたしの左手に水滴を滲ませる。
『…一緒に見たの、初めてだったな。』
余韻に浸るように高層マンションしかなくなった場所を見つめ続けるあたしに、
俊ちゃんはそれだけ呟いて煙草を咥えた。
「…最初で最後、だよ。」
『―――ッ!』
火をつけようとしていた俊ちゃんはその手を止め、
あたしの真意を探ろうと、その視線をゆっくりとこちらに向けた。
だけどあたしは、その視線に合わせることはしない。
何か言おうとしていた俊ちゃんより早く、背中を向けてリビングへと戻った。
明日、この家を出よう、と。
誓った瞬間。
半分ほど残っていたチューハイの缶をひっくり返し、シンクへと流した。
ボトボトとステンレスに響かせる音は、先ほどの花火の音とはまるで違う。
『…何考えてんの?』
あたしの背中に向かい、俊ちゃんは声を掛けてきた。
だけどあたしは、振り返ることもなく言葉を紡ぐ。
「…いつまでも一緒じゃない、って意味だよ。」
あたしの言葉に俊ちゃんは、それ以上は何も言おうとはしなくて。
この夜が明けたら、あたし達の3年に終止符が打たれるんだ。
ねぇ、俊ちゃん…
あたし達はこれから、どんな道に進むんだろうね。
離れてみれば、本当に何かが変わると思う…?


