夜になった。
今日一日であたし達は、この小さな街のことは、ある程度知りつくしただろうな、と。
一層寂しくなった街の灯りを遠目に見ながら、
“7”なんて言ってみた自分を、本当に嘆いてしまう。
さすがに寒くなり、吐き出す吐息は白く闇空へと消えて。
“煙草買ってくる”と言った俊ちゃんをあたしは、
ガードレールに腰を預けて身を縮めながらの待ちぼうけ。
見上げた星空は、やっぱり綺麗じゃなくて。
どこで見たって、大して変わりはないのだろう。
『おねーさん、ひとり?』
声に気付いて見上げていた視線を正面に戻すと、
気付いたらあたしは、4人もの男に囲まれていた。
どうやら、逃げ道はなさそうだ。
『見かけない顔だけど、この辺の子じゃねぇんだろ?』
「…ナンパとかだったら、間に合ってるから。」
それだけ言い、邪魔な男を押し退けてその場所から逃げようとするあたしを、
瞬間、男達が再び取り囲む。
逃がさないようにと伸びてきた何本もの手を振り払おうとあたしは、
必死で声を上げて。
「…ちょっ、触らないでよ…!」
強引に引っ張られ、苦痛に顔が歪む。
『…婦女暴行中?』
「―――ッ!」
その声に驚いて顔を上げた瞬間、ゴンッと鈍い音が響く。
その瞬間、あたしの目の前に居た男が崩れ落ちて。
真っ赤に染まった缶コーヒーを持った俊ちゃんが、煙草の煙をくゆらせて佇む。
『…お前っ、イカレてるよ…!』
目を見開いた男が、俊ちゃんに向かって顔をこわばらせた。
倒れた男の頭部からは、地面を侵食していく出血がある。
『…警察が来るのとお前らが死ぬの、どっちが先だと思う?』
『―――ッ!』
俊ちゃんが言葉を投げるのと同時に、
顔を見合わせた3人の男達は、倒れている男を残して逃げだした。
今日一日であたし達は、この小さな街のことは、ある程度知りつくしただろうな、と。
一層寂しくなった街の灯りを遠目に見ながら、
“7”なんて言ってみた自分を、本当に嘆いてしまう。
さすがに寒くなり、吐き出す吐息は白く闇空へと消えて。
“煙草買ってくる”と言った俊ちゃんをあたしは、
ガードレールに腰を預けて身を縮めながらの待ちぼうけ。
見上げた星空は、やっぱり綺麗じゃなくて。
どこで見たって、大して変わりはないのだろう。
『おねーさん、ひとり?』
声に気付いて見上げていた視線を正面に戻すと、
気付いたらあたしは、4人もの男に囲まれていた。
どうやら、逃げ道はなさそうだ。
『見かけない顔だけど、この辺の子じゃねぇんだろ?』
「…ナンパとかだったら、間に合ってるから。」
それだけ言い、邪魔な男を押し退けてその場所から逃げようとするあたしを、
瞬間、男達が再び取り囲む。
逃がさないようにと伸びてきた何本もの手を振り払おうとあたしは、
必死で声を上げて。
「…ちょっ、触らないでよ…!」
強引に引っ張られ、苦痛に顔が歪む。
『…婦女暴行中?』
「―――ッ!」
その声に驚いて顔を上げた瞬間、ゴンッと鈍い音が響く。
その瞬間、あたしの目の前に居た男が崩れ落ちて。
真っ赤に染まった缶コーヒーを持った俊ちゃんが、煙草の煙をくゆらせて佇む。
『…お前っ、イカレてるよ…!』
目を見開いた男が、俊ちゃんに向かって顔をこわばらせた。
倒れた男の頭部からは、地面を侵食していく出血がある。
『…警察が来るのとお前らが死ぬの、どっちが先だと思う?』
『―――ッ!』
俊ちゃんが言葉を投げるのと同時に、
顔を見合わせた3人の男達は、倒れている男を残して逃げだした。


