『…日光が目に沁みるねぇ。』
そう呟いた俊ちゃんはサングラスを掛け、車を発進させた。
助手席であたしは、呆れて言葉も出なくて。
つくづく太陽の下が似合わない男だと思った。
「…どこに連れて行く気?」
『適当。』
それじゃ、答えになってないんですけど。
だけど何も言わずあたしは、流れる景色に視線を移した。
今頃みんな、沖縄に着いて馬鹿みたいに喜んでいる頃だろう。
あたしは一体、何をやってるんだか。
目的地があるのかないのか俊ちゃんは、何も言わずに高速に乗って。
『亜里沙、好きな数字言え。』
「…7、とか?」
『じゃあ、7個目で降りるか。』
呆れるあたしに俊ちゃんは、それ以上は何も言わなくて。
ノープランなあたしの“修学旅行”に、不安が見え隠れする。
7個目がどこだかも知らないし、そこに何があるのかも当然知らない。
俊ちゃんから吐き出された煙が、サンルーフに吸い込まれるように外に流れ出て。
髪の毛を揺らす気流に目を細めた。
冬の近い、冷気を帯びた風が通り抜ける。
不意に見た俊ちゃんの真剣な横顔に、見慣れ過ぎているはずなのにドキッとして。
泳がせるように視線を外し、反対にある窓の外に再び移した。
『…つまんなそうにしてんじゃねぇよ。』
「―――ッ!」
ゆっくりと視線を戻すと、
サングラス越しにも穏やかに笑っているのであろう俊ちゃんの顔があって。
今日の俊ちゃんは、何か変だ、と。
思いながらあたしは、言葉を飲み込んだ。
そう呟いた俊ちゃんはサングラスを掛け、車を発進させた。
助手席であたしは、呆れて言葉も出なくて。
つくづく太陽の下が似合わない男だと思った。
「…どこに連れて行く気?」
『適当。』
それじゃ、答えになってないんですけど。
だけど何も言わずあたしは、流れる景色に視線を移した。
今頃みんな、沖縄に着いて馬鹿みたいに喜んでいる頃だろう。
あたしは一体、何をやってるんだか。
目的地があるのかないのか俊ちゃんは、何も言わずに高速に乗って。
『亜里沙、好きな数字言え。』
「…7、とか?」
『じゃあ、7個目で降りるか。』
呆れるあたしに俊ちゃんは、それ以上は何も言わなくて。
ノープランなあたしの“修学旅行”に、不安が見え隠れする。
7個目がどこだかも知らないし、そこに何があるのかも当然知らない。
俊ちゃんから吐き出された煙が、サンルーフに吸い込まれるように外に流れ出て。
髪の毛を揺らす気流に目を細めた。
冬の近い、冷気を帯びた風が通り抜ける。
不意に見た俊ちゃんの真剣な横顔に、見慣れ過ぎているはずなのにドキッとして。
泳がせるように視線を外し、反対にある窓の外に再び移した。
『…つまんなそうにしてんじゃねぇよ。』
「―――ッ!」
ゆっくりと視線を戻すと、
サングラス越しにも穏やかに笑っているのであろう俊ちゃんの顔があって。
今日の俊ちゃんは、何か変だ、と。
思いながらあたしは、言葉を飲み込んだ。


