再び、選んで俊ちゃんのところで暮らし始めた。


あの日の二人の言葉の意味は、今もまだよくわからない。


あの日自分が泣いた理由も何もかも、未だによくわからない。


ただ、俊ちゃんが怒る回数は、少しだけど減った気がする。


気分の問題なのか、はたまた気持ちの問題なのか。


相変わらず、俊ちゃんのことなんて何もわからないけど。



過ぎた夏に、一緒に両親のお墓参りに行くことはなかった。


今年も、一緒に行きたいとは思わないから、別に良いけど。


また、無駄に過ごした夏休み。


青春の時代だの、輝かしい時代だのと言われてるけど。


あたしはその一部分さえも、味わってはいない。


本当に、何のために生きているのか。



すっかり秋のものに変わった柔らかく少し肌寒い風が、耳の後ろを取り抜ける。


傾いた太陽は真横からあたしを照らし、その眩しさに目を細めた。


ビクつきながら校門へと向かうようになったのは、いつの頃からか。


何故か俊ちゃんが居たり、大我さんが居たりで結局ラチられて。


あたしは一体、同級生たちにどんな目で見られていることやら。



校門を出て左右を確認し、ホッと胸を撫で下ろした。


今日は、誰も居ない。


思い返せばあたしは、“彼氏”とか呼べるものが一年以上居ないのだ。


それでも遊んでいた男達は居たが、最近ではそんなこともしなくなった。


反抗しても何も変わらないのなら、それすらも無駄に感じて。


面倒になった辺り、大人になったって言うよりは、単に年を取っただけかもしれない。


勿体ないだけの、高校生活。


あたしは今まで、何を得た?


失ったものなら、いくらでも挙げられるのにね。