『澤田。
昨日、ホントに調子悪かったのか？』



翌日、案の定竹内が、あたしに詰め寄ってきた。


日がな一日中家に居てパソコンと睨みあってる俊ちゃんが居るのに、

学校をサボってまで一緒の空間に居続けようとは思わなかった。


だから、来たくもないのに無理をして来たのに。


なのに来たら来たで、今度は竹内に責められる。


あたしは、何も悪くないのに。



「…ごめん、別れよ。」


『え？』



竹内に対して、きっと罪悪感もあったのだとは思うけど。


正直もぉ、好きなのかどうなのかもわかんなくなっていた。


所詮竹内も、俊ちゃんと同じ男だから。


それにこのまま付き合い続けて、またあんなことをされたくはなかったから。



『…何言い出してんだよ…？』


「ごめん。
でもあたし、受験勉強に専念したいんだ。」



多分、こんな感じの台詞を使ったのだと思うけど。


家も学校も、居辛い場所になってしまった。




それでもあたしには、他に帰る場所なんてなかったから。


いつもと変わらず、あたしは俊ちゃんが言うようにご飯を作り続けた。


だけど変わったのは、前より更にあたし達の間に会話が無くなったこと。


話したいとも思わなかったし、俊ちゃんも話し掛けては来なかったから。


もぉ、何のために一緒に食事をしているのか。


それすらも、わからなくなっていた。