白崎先輩が、探しにきてくれた時はすんげぇ嬉しかった。


俺の為に、自分勝手な俺の為に。

傘もささずに来たのも、必死にさがしにきてくれた証拠だと思っている俺は、自惚れているだけだろうか…?







「ヨッシー!!ねぇっ、待ってよ」

「…………」


白崎先輩が駆け足で俺に近づく。


「…ちょっと!」


追い付かれると、俺はもっと速度をあげた。




――泣き顔なんて、好きな奴に見せたくないだろ?―



イタズラに俺の顔を照らす月を、何度恨んだだろう――。