‐隼人::side‐
「………ッチ。言っちまったよ…」
…でも、これで良かったんだよな…?
白崎先輩に聞こえないよう、唇を噛みしめ呟いた。
――公園で眠っていた俺は、誰かの叫び声で目が覚めた。
雨がかなり降っていたけど、丁度屋根があるベンチだったから、濡れなくて済んだらしい。
誰かの叫び声を辿ると、
びしゃびしゃで、
力なく泣き叫んでいた、
―白崎先輩がいた。
何でこんなとこにいるのか、何で傘もささずに出てきたのか、誰の為にこんなに必死になっているのか……、その全ての謎が分かるのはそう遅くはなかった。

