「……なんで、今そんな事聞くの?まさかっ…、聞いてた…?」


「……はい」


俺はポケットに手を突っ込み、目線を下げる。




「…そっか」

「―…だから、教えて下さい」


俺は先輩の方へジリジリと進む。
それに合わせ、先輩も後退りした。



「…嫌よ」

「なんでですか」

「恥ずかしいじゃん!」

「いいから。正直に言って下さい」


俺はついに先輩をフェンスまで追い詰めた。

すると、ガシャンと音をたて、先輩がフェンスへ背もたれる。



「早く」

「言わないっ」

「言えって言ってんだろ!!??」


―…ガシャン!!

「きゃっ!」


俺は先輩の顔の横にあるフェンスに、激しく両手を置いた。



その刹那、俺の意識が段々と遠退いていった…。