「ヨッシー、大丈夫?」 何度も呼びかけるけど、マシな返事もしてくれない。 「ヨッシー……!」 何も言わず、早足で私との距離をおくヨッシーに不安を覚えた。 …カラカラと、自転車の押す音が、静かな通学路にやけに響く。 「…ねぇってば!!私、何かした…?」 やっとの事でヨッシーに追いつき、肩を並べた。 「………先輩」 「……?」 「……先輩のせい、ですよ」 「……ぇ、…きゃ…!」 ヨッシーと目が合ったその刹那、 彼にがっしりと抱き寄せられ、 自転車がガシャンと鈍い音をたてて倒れた。