優しく、唇の上を
なでるようなキス。

涙がこぼれた。
いつも博人さんが吸っている
タバコのほろ苦い味がした。

全てが辛かった。
生きること、なにもかも。

生きている意味もなかった。

だけど今だけ忘れられた。

博人さんのキスがだんだん
激しくなった。

舌が入ってくる。

「はっあっ…ぁっ」

自然と声が漏れる。

私も博人さんを求めた。


しかし、博人さんが止まった。