「痛っ
痛いってば!」

私は強引に手を振り払った。

もぉ何!何なの。

男は私を無視し、髪をセットしながら
携帯をいじりはじめた。

しばらく沈黙の中私達は行き先も
ないまま歩いていた。

「あのー…あのー…」
私は男に問いかけてみた。

「何だよ。」

少し不機嫌そうに男がかえす。

「彼女よかったの?あんな事して」

すると

「あぁ、いんだよ。しかも彼女ぢゃ
ないし」

男はさらっとそんな事言った。

はぁ彼女ぢゃないのにキス
するんだ。
そんな事一人で考えてたら男が言った

「てかお前に関係ないし」

はぁ何なのこいつ。

「私あんたの知り合いぢゃないんだけど。」

私も負けずと返す。

「お前見てたろ」

はっ?

「俺らがキスしてんの見てたろ」

なんだか少し悔しくなった。
そりゃ見ていたことは本当だから。

私が黙っていると


「あんた恋愛経験少ないでしょ」