そのとき。 車の外から扉が叩かれた。 「アンナ! ここだろ?!」 直也くんだ! 直也くんは車の扉を開けようとするが鍵が閉まっているため開かない。 「うるせーな…。」 祐吾が扉の方を向く。 私は今だ!と思って祐吾を突き飛ばした。 祐吾は不意なことでよろめく。 その隙に私は自由が利かない手を一生懸命使い鍵を開けた。