【奏side】



自分の教室に到着して後ろの扉を勢いよくガラッと開けると、先程まで騒がしかった教室内がシーンと静かになった。

勢いよすぎたかな?
皆が驚きの表情をこちらに集めている。


「……おはよ。」


欠伸をしながら放った言葉は短く途切れてしまったが、すぐに先程の騒ぎに変わった。


「おぉー奏じゃん!新学期早々遅刻すんなよー。」

「…目覚まし壊れてた。」

「またかよっ!」


今年初めて同じクラスになった男子に話をかけられた。


名前は覚えていないが、同じクラスのせいなのかよく話す。

って言っても3日しか経ってないけどね。