【乃愛side】
1時限目は数学。
私の得意教科のひとつ。
指定されたページを開きながら、チラリと黒髪パーマの女の子に視線を向けた。
私から見て隣の列の1番後ろの席なのでチラチラとしか見えないが、遠目から見ても可愛い事が判定できる。
生まれて16年経過したが、未だに2.0の視力を保っている私。
何気に自慢だ。
「この問題を…坂下、解いてみろ。」
「はいっ!?」
黒髪パーマの女の子に見惚れていると、私の後ろの席でコソコソしていた麟太郎が指名された。
数学の先生は意地が悪く理数系が苦手な生徒を中心に指名していくので、理数系が苦手な麟太郎は毎回の如く指名されている。
