私は母の遺影を見ていた――

母が死んでから不思議と涙を流さなかった――

カナシイって気持ちと
何かがぐちゃぐちゃになってわけがわからなかった―――


母の葬式には沢山の人が来ていた。
その中の多くの人が
可哀想に……
まだ若いのに……
って言って行くのが聞こえ
頑張れ…
これから大変ね……
って励ましの声をかけていく人が沢山いた

何を頑張るの……?
何が大変なの……?

私には理解できなかった……

母はいつも突然だ―――
これだけはわかっていて………

もう一つ……
隣で静かに涙を流す龍太郎の事を私はずっと見ていたのを覚えている………


私が死んだ時にも泣いてくれるかな……

私は思った……