その後、私はどうやって病院に来たかは覚えていない。

覚えているのは私の目の前で沢山の管につながれた傷だらけの母の顔と私の隣で母の手を握っている龍太郎の今にも泣きそうな顔――


母は買い物途中で交差点の信号を渡ろうとしたときに信号を無視してきた車に引かれたそうだ―――

救急車の中で何度も私と龍太郎の名前を読んでいたらしい――