ですが、御伽噺の国は何も起こりません。


プリンセス達を苦しめた魔女だって、ちゃんと結末を認めているのです。



しかし神様は、この何も起こらない平和な世界に飽き飽きしていたのです。


「嗚呼、どうすればこの世界がもっとハラハラドキドキして面白くなるのだろうか......?」


この神様の呟きに、天使が一言。


「あの、御伽噺の世界にハラハラドキドキは必要ですか?平和なだけで十分じゃないですか!」


「お前と私の感覚は違うんだよ」


神様は、怒鳴る元気も無くなりつつあったのです。


「もうこの世界に飽きた。いいアイデアを考えるために部屋に籠もる」


神様はこう言い残すと、足早に部屋に入っていきました。