「すみませ~ん!翁さんを呼んでくれません?」


千尋は、玄関まで行き大きな声で翁を呼びました。


暫く待っていると、奥の扉から翁が出てきました。


「翁はわしだが......。何かようか?」


「私、かぐや姫さんのファンなんです!!

ですから、かぐや姫さんの召使にしてください!!」


千尋は、出てきた翁に対して深く頭を下げ頼みました。


「そういわれても、既にかぐや姫には召使はいるんじゃ。すまんのぅ」


「でしたら、かぐや姫さんの専属召使にしてください!かぐや姫さんのためなら何でもやります!」


翁は、千尋のあまりにも一生懸命に頼みこんでくる姿を見て、召使にしようか悩んでいました。


翁が腕を組んで考えていると、先ほど翁が出てきた部屋と同じところから十二単を纏った黒髪の美人---かぐや姫---が出てきました。


「おじい様、玄関が騒がしいのですが......。何かありました?


......?そこにいらっしゃる方はどなた?」


かぐや姫は千尋を見て尋ねました。


「あ!かぐや姫さん!!私、あなたの専属の召使になりたいんです。何でもしますから、お願いします!!」


千尋は再び頭を深く下げ、今度はかぐや姫に向かって頼みました。


「あら。そうでしたのね。いいですよ。ぜひ、私の専属になってくださいな」


かぐや姫は、ニッコリと笑ってあっさりと承知してしまいました。


これを見た翁は、「まぁかぐや姫が決めたことだし......。」と専属召使になることを認めました。