鏡子の話を聞きながら、



俺は思った。



こんな風に・・・・・鏡子の話を聞く俺。



考えてみたら、女の話を真面目に聞くのも初めてかもしれない。



適当な会話なら簡単なこと。



思い付く言葉を並べて女を喜ばせればいいだけだから。



都合が悪ければ笑顔で謝ればいい。



感情なんか込めなくていい。



その場だけのセリフ、優しい言葉。



俺にとって、女との会話はいつもそうだった。



それ以上もそれ以下もない。



女に対して何も期待も望みもないから。



そんな俺の乾いた口から出る嘘だらけの甘いセリフは、



俺にとって何の意味も持たないものだから。



今までは・・・・・ずっとそうだったから・・・・・。



それなのに・・・・・。



そんなはずないのに・・・・・。



どうしたんだ?俺・・・・・。