そして、男は携帯を取り出し、



誰かと話し終えると、



「・・・・・店長、俺ちょっと今すぐ人と会うことになって、すぐ終わるからここで鏡子を待たせるけどいいかな?こいつ、酔ってるだろう?心配だから、一緒に連れて行けないからさ」



と、少し慌てたように俺に言った。



「はい。別に構いませんよ」



「おぅ!店長わりぃ~なぁ。じゃあ、すぐ戻るから。待っててな、鏡子」



そう言って店から出て行く男に手を振り、答える鏡子。



俺も軽く会釈して見送った。



カウンター席に1人残った鏡子の顔は、



少し寂しげに見えた。