そこには女が立っていた。



水色の傘でよく顔が見えないが、知らない女。



客の女?知り合いか?



覚えがねぇぞ・・・・・。



こんな時になんなんだよ。この女。



どう見ても、びしょぬれな俺・・・・・。



この俺の状況見たら、普通は声かけねぇだろっ・・・・・!!



「何?・・・・・何か用?」



俺はなるべくそんな怒りを抑えて女に言った。



すると、その女は俺の気持ちとは反対にニッコリ笑って、



「これ・・・・・よかったら使って下さい」



と、言った。