目の前には、あの頃より大人びたまあくんの姿があった。
背も伸びているし、細かっただけの体はやや筋肉がつきたくましくなっている。
「……まあくん、なんでここに?」
まあくんは意地悪っぽく笑い、
「吉住さんに会いたかったから。
ここに来たら会える気がして」
と、いま運ばれてきたばかりのコップの水を勢いよく半分ほど飲んだ。
「昨日、グリーンの日記更新してましたよね。
悪いけど見ちゃいました」
「え!? うそ。
だって、まあくん退会したんじゃ……」
「また、違う名前で再入会しました」
まあくんの言葉が本当かどうかを確かめるため、私はすぐさまグリーンにアクセスした。
ケータイをいじっている瞬間、ふと思った。
4年ぶりの再会だというのに、こうして何事もなかったように普通に話せているのが不思議だなって。
まあくんは、まるで毎日会ってる友達のようなノリで、
「ニシマサってハンネの足跡、残ってません?」
足跡をたどると、まあくんの言う通り、昨日の日付で“ニシマサ”からの足跡がついている。
「なんで“ニシマサ”?
前みたいに“まあ”で再入会すればよかったのに」
それだったら私もすぐに気付けた。
「西島摩沙斗。略してニシマサ。
去年、ゲーム目当ての友達に偶然紹介されて、また始めたんすよ。
ほとんどアクセスしてませんでしたけど、吉住さんに気付かれたらって思ったら、さすがに前の名前にはできませんでした」
「……じゃあさ、なんでここにいるの?
グリーン辞めてまで、私を避けてたんじゃないの?」
まあくんに訊きたかったことが、山ほど湧き出てくる。


