真央実には素直に言えなかったけど、私を気にして飲みに誘ってくれるような人がいるなんて、正直、嬉しかった。

今まで、片思いの相手とは友達どまりだったし、大学に入ってから好きになった人は真央実を好きになっていく。

私には生まれながらに恋愛運がないのか……と、深刻に考えてしまうほど。


自信なんてなかった。

でも、そういうことなら、真央実が連れてきてくれるその相手とちょっとでも仲良くなれるように頑張ってみよう。


その日の昼休み、私は真央実を誘って、17日に着て行く服を買いに行った。

大学から車で10分ほど走ると、新しく出来たばかりのショッピングモールがある。

鏡の前でたくさん悩んではりきった甲斐もあって、真央実に誘われた飲み会では上手に楽しむことができた。

行ってビックリしたのは、私と仲良くなりたがっているという相手が竹居芳だったということ。

竹居芳は同じゼミの男子なんだけど、授業中言葉を交わしたのはわずか数回。

暗い人ではないけれど、普段あまり絡まなかったからか、こうして一緒に飲むようになるまでは、さほど印象に残っていなかった。