両足を抱くように体を丸め、私は泣いた。
何の涙なんだろう、これ。
「もう、芳とは別れるしかないと思う。
部屋のポスターにも、女友達との電話にも耐えられないから。
でも、一人になるのも不安なの。
また、前の自分に逆戻りしちゃうんじゃないかって……」
芳と離れたら、もう二度と恋人が見つからないんじゃないだろうか。
笑えるくらいモテなくて、どれだけ頑張ってオシャレしても誰にも相手にされない、さえない女。
もう、あんなみじめな自分に戻りたくない。
「吉住さんは、芳さんのこと、もう好きじゃないんすか?」
まあくんの質問に、まっすぐに答えることができない私は、とってもズルい。
「…………」
うつむくことで黙ってやり過ごす私に、まあくんは思わぬことを真顔で言った。
「……もうすぐバレンタインですね。
本当の本当に芳さんと別れるのなら、その日、チョコくれませんか?
でも、吉住さんが俺のこと男として見れないのなら、ハート型のチョコはいりません」
「え……?」
意味がわからなくて顔をあげると、まあくんは苦しそうな表情でまっすぐこっちを見ている。


