4年、待ってた。


「まあくん?」

呼びかけても、返事がない。

まあくんの視線の先をたどると、洗い立ての洗濯物の山。

お母さんに持ってきてもらったまま、まだチェストにしまっていなかった。

お母さんのたたみ方のクセで、下着を一番上に積んである……!

私はあわてて、洗濯物の山を両手で抱え、クローゼットの中に隠した。


「ごめん、目に毒だったね」

テンパった時によく出る、自虐的な発言。

私なんかの下着を見せられて、まあくんも迷惑極まりないだろう。

まあくんはきょどって、

「いや、すいません!

毒じゃないっすけど!

こっちこそ、まじまじ見てすいません……」

と、オーバーなくらい謝った。

芳だったらこんな時、

「他にはどんなの持ってんの?」

って、興味津々に訊いてくるんだろうけど、まあくんはそれ以上下着ネタに食いつこうとはしなかった。

その純粋さが、私にはまぶしすぎる。

まあくんは顔を赤くしたまま、うつむいていた。