4年、待ってた。


動画サイトで音楽を聴きながら時間をつぶした。

考え事をしないよう、歌詞や曲に集中してみても、やっぱり心の中はまあくんとの電話でいっぱいになる。

なぜ、いま、まあくんに会いたいんだろう?

無視して寝ちゃえばいいのに。


まあくんはただのバイト仲間。

仲は良いけど、こうなるまでケータイの番号すら知らなかった者同士。

だいたいまあくんは年下の高校生。

頼るのなら、芳と付き合うキッカケを作ってくれた真央実や、ほかの友達を頼ればいいのにね。


まあくんのことを特別視してしまうのは、みんなが知らないグリーンというサイトでひっそりつながりを持っていたから?


芳はきっと、こんな私を知らない。

グリーンを通して、私とまあくんがやり取りをしていること。

もし知ったら、ヤキモチやいてくれるかな?

ううん、それはないだろうね。

自分の経験で、男女の友情はあるって言えちゃう人だから。

まあくんは弟みたいな存在なんだと説明したら、すんなり「そうなんだ」と受け入れそう。

考えていたら、だんだんつらくなってきた。

私は芳の異性友達を許せないけど、芳はきっと、私とまあくんの交流を認めてくれる。

彼女として、それはやっぱり寂しかった。