真央実はバイト先で彼氏ができたけど、私にはいっこうにそんな気配は訪れなかった。

大学には高校の時以上にたくさんの人がいるのに、どれだけオシャレしてみても私に近付く男はいなかった。

サークルやゼミでなんとなく仲良くなる人も、みんなみんな、私の隣にいる真央実に惹かれていく。

仕方ないことだと思いつつ、真央実の存在がうっとうしくなった時もあった。

私は真央実の引き立て役をするために大学に来たんじゃない!と言いたくなったりもして。

さすがにそんなこと口には出せなかったけど、人並みに恋愛したかった私は、時にイライラして、出会いがないのを心の底で真央実のせいにしてた。


そんな学生生活が半年過ぎた10月の中頃、思わぬハプニングが起きた。

真央実が、車校(自動車学校)で知り合った男友達と私達、合わせて4人で飲みに行こうと誘ってきたのだ。