ひととおり話し終えると、まあくんは苛立ちを込めた口調で、
『吉住さんには悪いけど、その人ありえないっすわ』
「ありえない?」
キョトンとする私。
こんなに感情的なまあくんは初めてだという驚きもあった。
『だって、彼女いるときにマンガ読むって!
部屋にポスターって!
普通、彼女といたら抱きしめたりかまってたいって思いますよ!
好きなコ出来たら芸能人なんて興味なくなるし、ポスターなんかじゃなく、彼女と撮った写真やプリクラ飾りますって』
私の中にある女としてのプライドをくすぐる、まあくんの共感。
最初落ち込み気味だった私もだんだん強気になり、
「そうそう! 私はかまってほしいだけなのに!
芳は、テレビとかマンガの方が大事みたい」
『理解できないっすねー。
吉住さんがヘコむの当然っすよ。
マンガやテレビなんて、一人の時にいくらでも見れるんだし』
「だよねだよね!!」
異性に気持ちをわかってもらえるのが、こんなに気持ち良いことなんて思わなかった。


