4年、待ってた。


男友達のいない私が悪いんだと思う。

初めて付き合った彼氏が芳で、舞い上がるばかりだった。
でも、もう、潮時(しおどき)なのかも。

ただでさえアイドルポスターや女友達との電話の件でもいっぱいいっぱいなのに、これ以上、芳のことで我慢を重ねたくない。

「女友達と旅行なんて、おかしいよ!

私がいるのに……。

芳の考え、理解したい。

でも、それだけはわからないよ!」

うまく言葉にできない。

口にすればするほどめんどくさくなる。

今まで怒ることのなかった芳も頭にきたみたいで、私につられるように、きつい口調でこう言った。

『友達との旅行くらい許してよ!

ネネちゃんは、心狭過ぎ!』

全身の血が、一気に頭にのぼるのを感じた。

体はカーッと熱くなり、手も震える。

図星をつかれたから……?

「そうだね! 私は心狭いよ!

私も芳の女友達みたいに、優しければよかったのにね!!」

芳の女友達になんて会ったこともないけど、皮肉を込めてそう言い、電話を切ってやった。


もう、わからなくなった。

付き合っていく自信が、砂のようにサラサラと両手からこぼれ落ちて消える。