私は嫉妬深くて嫌な女。
そんなの重々承知。
芳の言葉をそのまま信じてる。
芳は浮気なんかする人じゃないって、今までの付き合いでわかってる。
でも、嫌だった。
雑魚寝する仲とか、おかしな関係にはならないとか、そういう感覚が私には理解できない。
芳のそういう価値観を共有できたら、私も楽なんだろう。
でも、できそうにない。
どうしても言葉を止められなかった。
うまくいっていたのに、それを壊すようなことを自分でしてしまった。
「そんなの行かないで。
……私、嫌だよ。女の子もいるんでしょ?」
思った以上に低い声が出てしまう。
芳は戸惑うように、
『大丈夫! 心配しなくても。
あいつらは男女を意識しない仲っていうか、もう全員が男同士みたいな感じだし。
今までだって、あいつら何度かウチに泊まりに来たりしてるけど、何も起きてないしね。
何かあったら逆にこわいくらい』
芳は一生懸命私の気を和らげようとしてるのかもしれないけど、芳にそう説明されるたび、イライラが増すだけ。
「……そういうの、私にはわかんない」


