4年、待ってた。


明るい雰囲気に持っていこうとしたのに、私のそんな努力(?)もむなしく、まあくんの機嫌は悪いままで、ちっとも笑ってくれそうになかった。

謝るのもなんだか変だし、これ以上何か言っても墓穴を掘ってしまうと感じたので、ちょっと早いけど休憩を終えてホールに出ようと、私はイスから立ち上がった。

「じゃ、先に行くね」

気まずいままぎこちない笑顔でそう言うと、

「……吉住さんにそういうこと言われるの、キツイです」

まあくんが泣きそうな声で言った。

「彼女できるよとか、好きな人できたらいいねとか、今までは我慢して聞いてましたけど……。

……キツイっすよ」

「ごめんね……」

そんなに気分悪くさせてるなんて気付かなかった……。

他に何て言うべきか分からなくて、私はまあくんに謝った。


まあくんみたいに、望めば彼女が出来る環境にいる人がどこかうらやましくて、憧れてたのも本当。

私がもしまあくんの立場だったら、恋人なんてより取り見取りなんだろなぁなんて、妄想して楽しんでた。

それがまあくんにとっては不愉快なものだったなんて、思いもしなかった……。