4年、待ってた。


年末年始というのもあり、バイトを休める日が減っていた。

ファミレスという職種柄仕方ないのかもしれない。

バイト歴がそこそこ長いからか、休み希望を出した日に出勤を頼まれることもたびたびあった。


バイトを増やす前までは、丸一日芳と過ごせるような休日もあったのだけど、最近はバイトが終わる夜10時から翌日の深夜1~2時の間に芳の部屋で過ごすのが当たり前になっていた。

県外受験して大学生になった芳は、綺麗なアパートで一人暮らしをしているので、夜中の出入りも自由だった。


そんなある日、初めて芳と険悪な雰囲気になる出来事があった。

バイト続きで、私も知らないうちに疲れがたまっていたのかもしれない。

芳と二人でいる時、芳が女友達からの電話を受け楽しそうに話しているのを見た時、私は初めて芳に怒りを覚え、それを全力でぶつけた。

電話を終えた芳に、

「私といる時に電話なんかしないでよ。

しかも女と……」

「ごめん……」

私のこわばった表情に何かを感じたのか、芳はしおらしく謝る。

同じ室内に私がいるのに「電話に出ていい?」の一言もかけられなかったことに、芳の常識のなさを疑った。

芳は私の機嫌を直すためか、わざと明るい口調で、

「あのさ、女友達っていっても、幼なじみなんだよね。

向こうはもう結婚して子供もいるから!」

芳の幼なじみでもあるその女友達は、私達より1つ年上。

高校卒業後、年上の人と結婚して9ヶ月目の赤ちゃんもいるそうだ。