芳と付き合うようになるまで、そう長い時間はかからなかった。
12月の星空の下で、
「ネネちゃん、付き合ってください」
真っ赤な顔でそう言われて、私もすんなりうなずいた。
大学生になってから、私はファミレスでバイトを始めたのだが、芳のクリスマスプレゼントを買うため、11~12月は頑張ってたくさん出勤した。
夕方から夜のシフトを集中的に狙ったワケは、未成年の働く時間帯の中でもっとも時給がいいから。
早く稼いでサクッとプレゼントを用意したかった。
芳は優しかったと思う。
バイトで疲れた時に甘い飲み物をさし入れてくれたり、毎日メールで気遣かってくれた。
プレゼントを買うためにシフトを増やしたことを芳には秘密にしていたし、芳もバイト時間が増えたことについて、特に追求してくることもなかった。
そうして迎えた、恋人と過ごす初めてのクリスマス。
私は芳と結ばれた。
二度と離れたくない。
この先もずっと一緒にいたい。
私がそう思えば思うほど、芳は冷たくなっていくようだった。


