「ウソじゃないよっ」
芳は慌ててそう言ったけど、私は取り合わず、普段抱えていたことを口にした。
「真央実は私にとって一番好きな女友達だし、気を許せる友達だと思う。
でも、真央実といると自分がダメな人間に思えてくる時もある。
……前好きになった人も、真央実を好きだった。
真央実は明るくて可愛くて、それでいて気配り上手。
モテて当たり前なんだよ。
私にはそんなのマネできないしね。
努力しても実を結ばないというか。
女としての価値、ゼロなのかもね」
「…………」
はー。普段言えないこと言ったらスッキリした。
芳は黙ったままうつむいている。
余計な話しちゃったかな。
ま、いっか。
引かれてるのだとしても、会うのはこれきりだろうし。
芳の見た目や性格に好みの点が見つからなかったからか、私は半ばヤケになっていた。
「私のことを気に入る人なんて、あんまりいないよー?
レアだよ、レア。
でも、芳くんも、真央実の方が良くなったら、その時はそう言ってね」
精一杯明るく、そう言ってみる。


