中庭ではお弁当を食べちゃいけない決まりがあるからかご飯を食べる時間帯のお昼休みは生徒がいない。


「御波先輩、」

「ん?何?」


首を傾げて植田くんを見ると凄く真剣な顔をしていた。

何だろう、重大な話でもあるのかな。とあたしも真剣になって話をきく構えをした。


「俺、御波先輩が、…好きなんです!」

「…え?」


ぽかんと口が開くあたし、

驚いた、告白だなんて。


「よく話すようになって、優しい先輩にどんどん惹かれて、」

「で、でも、あたしっ」

「知ってます!」


とーるがいる、と言おうとした瞬間植田くんが言葉をさえぎった。


「御波先輩に大切なひとがいるのは知ってます。でも…俺、諦められなくて」


あたしは、どうしたらいいんだろう。

何て言ったらいいのはわからず黙りこんでしまった。


「困りますよね…、すいません。」

「そ、そんなこと…」


ないってキッパリ言えないあたし。ダメだな…


心がモヤモヤし始めてどうしようと困っていた時、フラりと隣に人の気配がした。





「駄目だよ、れんは俺のだからあげられない。」





「…とーる、」



きゅん。とあたしの心臓が跳ねた。