彼は立っていた。

星を見上げて。

「待って、行かないでっ!」

あたしが叫ぶと、彼は笑った。

「ダメだよ、もう行かなきゃいけないから」

「嫌だ、行かないでっ!」

あたしがすがりついて泣くと、彼はあたしにキスをした。

初めての、甘くて、切ないキス。

そして、

「さよなら。また、会える日まで」

そう言って、彼は星になった。