「ちょっとだけ…」

「いやっ…ねえ…!」


こんなに拒むのも
無理はない。
だって隆平とは
きもい とか うざい とか
平気で言い合えちゃうような
間柄だったし、


友達にからかわれて
お前ら付き合ってんのか〜?
なんて言われた時には
「こいつと付き合うなら
一生童貞のままでいい!」とまで
言われたから。



そんな隆平が私を抱きしめてるなんて、
おかしくなったとしか
思えない。



「…わりい。まっお前としては嬉しかったかな?(笑)俺に抱きしめられるなんて…」

「ふざけんなちゃら男。」


隆平の様子がおかしい事は
瞬間的に理解したから、
殴ってやりたい気持ちを抑えて
その言葉だけでおしまいにしてあげた。


「あーあ。絶対目つけられた。もう友達できないかも!!そんな事なったら毎日あんたんとこ通ってやるから覚悟してなさいよ!!」



そのまま
ちょっと気まずそうな隆平をおいて
改札をくぐった