自然分娩、3000g超え、健康体
あたしとは違う弟。

母の温もりを何時も傍に感じて、すくすく育っていく。
祖母にとっても2人目の内孫で、両親にとっては待望の長男。

弟が皆に囲まれてニコニコ笑っている顔を見るのは大好きだった。
けど…

「 とも君は可愛いねー! 」 「 やっぱり男の子はいいわね!」

そんな言葉を聞く度に、女である事が駄目な様に感じて…あたしは可愛くないと言われている様に思った…。



…ママ、彩捺は?彩捺も可愛い…?

「 彩捺 も 可愛いよ 」

とも君と彩捺は、どっちが可愛い…?

「 とも君は未だ赤ちゃんだから、とも君が可愛い!
彩捺も赤ちゃんの時は凄く可愛かったんだよー?」

赤ちゃんは可愛いんだ…



そこから、所謂赤ちゃん返りが始まった。

卒業していたおしゃぶり(指しゃぶり)をする様になったり
おむつも卒業出来ていたのに、おむつを履いてみたり…
駄々を捏ねてみたり…着替えもやらなくなって母に頼んでみたり…
弟を見て、【 赤ちゃん 】になっていた。
でも、弟みたいに構って貰える訳もなく…

「 彩捺はもうお姉ちゃんなんだから
ママに迷惑掛けちゃ駄目っ」