思わずはっと身を引いて、司の横顔をまじまじと見つめてしまった。
驚いた私の様子に気づいて、司自身もはっとしたように息を吐いて。
「悪い。拗ねてるのは俺があまりにも情けないって自覚したからだ。
別に真珠が悪いわけじゃない。逆に、真珠の事は惚れ直したんだ」
どこか諦めたように、肩を落としながら呟くと。
ちょうど見つけたコンビニの駐車場に、車を停車させた。
「俺は、不安だったんだよ。海くんに、真珠を取られるんじゃないかって、心配で心配でたまらなくなって、夕べはあまり眠れなかった」
車が停まった後、ハンドルに乗せた両腕に顔を埋めて、司はうめくように告白した。
「海くんは、やっぱり脅威だからな」
「……は?取られる?」
シートベルトを外した私は司に体を寄せた。
そっとその背中に手を乗せると、びくりと跳ねるのを感じる。
顔を隠したままで、その表情は見えないけれど、司が自分を責めているような気がして、その顔を覗きこんだ。
「司……?」
「夕べ、真珠が海くんのお父さんに今日の手土産を頼んでただろ?
今朝受け取りに行くって聞いて、それからずっと緊張してた」
「……」
「最後の最後で、やっぱり海くんの事を選ぶんじゃないかって、緊張が抜けなかったんだ。女々しいだろ」
「ううん……」
「きっと、真珠と海くんはお互いに気持ちを寄せ合っていた時期があっただろうし、今でも親戚だから完全に縁を切る事もない。
俺には入る事ができない二人の絆もあるだろうし。
今日、海くんと会ってわかってたから、その時に海くんが真珠をかっさらおうとしたら、真珠はどうするんだろうって不安だった」
ようやく顔を上げた司からは、マイナスの思考しか感じられなくて、どこまで心配性なんだろうかと、私も胸が痛くなった。
「ほんと、俺一人が真珠の事を信じきれてないって実感して情けない」
司は苦笑しつつ、切なげに私を見つめる。
そんな表情をさせているのが私だと思うと、本当に本当に。
「私って、すごいのかも」

