早菜さんは、唯一の2年生。
副委員長とは言っても、その仕事量と速さは私たちの中じゃダントツで(水瀬も早菜さんにはキャリアも実力も勝てないみたいで)。
私たちを待ってる今日1日は、きっとハンパないものなのだ。
視聴覚室は、いつになく緊張感に包まれている、気がした。
尚人でさえ、今日はどうでも良い話をしない。いや、できないんだと思う。
水瀬が私たちの前に立って、今日の仕事について話す。
「いいか。俺たちの仕事は大きく分けて2つ。校内の警備と中高合同イベントの運営と進行のサポート諸々」
「警備だけだったら、4人でなんとかなるけど…」
雅矢くんがそこまで言って言葉を濁した。
その続きを、やっぱりどうしても空気の読めない尚人がスバリ言う。
「イベントの最中が問題!ってわけだ」
「あ、あぁ…。まーな」
ハキハキとした尚人の声に比べて、今にも死にそうな水瀬の声。
「え、でも、2人ずつでなんとか――」
「イベントに2人出演するんだよ」
「出演…?」
疑問を投げかけようとした私の言葉を遮って、雅矢くんが説明してくれる。
「うん、恒例なんだ。中等部の生徒会と高等部の生徒会と風紀委員の代表2人ずつ、ファッションショーみたいな感じで舞台に出るの」
「そんなのあるんだ…」
「それには、俺と、お前が出る」
「え…」

