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「今日も元気だねー、凛ちゃん」

「あ、あぁ…」

「ありゃ、起きてから十分もしないうちに出てったよ」


今さっき凛が出て行った玄関を、俺は唯と二人で眺めていた。

最近、新学期に入ってから、凛は今日のように朝早く家を出ることが多くなった。
風紀委員に選ばれたからだ。




「なんか高等部は大変そうだね…」

「そうだな。風紀があんな大変そうじゃ、生徒会もあんな感じだろうな」

「中等部は大丈夫なんでしょうかねー、生徒会長さん?」


唯が俺の顔を覗き込みながら、嫌味っぽく笑っている。
俺はそれを素早く振り払った。


「お前だって、生徒会書記だろ?…同じだろ」

「あら、会長と書記じゃ相当違くない?」

「…」

「うわ、シカト!?」


俺は唯の言う通り、シカトを決め込んでリビングに戻った。