私の目は、普通の人と少し違うらしい。
それは、生れ付きのものだった。
そのせいで、強い光を見ると瞳に激痛が走って、涙が出てくる。
だから、炎天下で行なわれる体育は全て見学。
小中学生の頃は、いろいろなことを言われたりもした。
「ずる休み」
「えこひいき」
「気持ち悪い」
幼稚なものから、手の込んだイタズラまで。
様々な言葉が、幼い私には辛かった。
でも高校に入ってからは、そんな嫌がらせもない。
それでも、「何でコイツはいつも休んでるんだ?」なんて視線を感じるのは、いつものことだった。
そんな刺すような視線になんて、いつまでたっても慣れることはない。
でも、何もできない私は、こうして、ただただ影でひっそりと過ごしているだけだった。
それで、良いんだ。
「二条!危ないっ!!」


