1歩1歩駅に近付く。
近付く度に……警察とすれ違う。
1人、また1人と……
だけど警察は俺たちに気付かない。
「おい…案外気付かれないもんだな。」
「あぁ。こりゃ予想してたよりも軽くいけそうだな。」
次第に俺たちの心の中にも余裕が生まれてくる。
そして…
なんとか5人の警察に気付かれずに駅の中に入れた。
「よし!!うまくいったぜー。」
「俺の変装作戦は大成功だろ?」
ヨシトは鼻高々だ。
「たまには役に立つんだな。」
「たまにはって……。」
ワタルの言葉にヨシトは少し落ち込んだ。
「どこまで行く?」
「とりあえず県外だ。適当に1番早く出る電車の切符買おーぜ。」
「……県外か。」
時刻表をチェックし、切符を買った俺たちは駅のホームへと向かった。
ジリリリリ…
「おっ、タイミングばっちりだな。」
俺たちがホームに着いたと同時に電車が入ってきた。
と、その時だ…
「ちょっと君たち!!」
後ろから声がした。
なんか嫌な予感…。



