「お…おい!!ヨシトやめろ!!」
ワタルは必死に抵抗するがヨシトは手を緩めない。
そして…
「あとはマジックで髭を…こーしてこーして……はい!!出来上ーがり。」
ついにワタルの変装作戦が完了した。
そのワタルの姿と言えば…
「……ぷっ!!」
「く…くくっ…。」
「………。」
ひどい…あまりにひどくて笑える。
ジェルでべたべたになった七三分けの頭
明治時代にありそうなプラスチックの丸メガネ
さらにはマジックで書いた左右不対称の髭
みんな笑いを必死に抑えているが、内心は大爆笑だろう。
「ヨシトォォ…。後で覚えてやがれ…。」
ワタルは凄い形相でヨシトを睨み付けている。
「これで警察の目から逃れられるんだ。逆に感謝してもらいたいぐらいだぜ。」
ヨシトはしてやったり顔をしながらそう言った。
「まぁ、その姿なら…くく……警察にはバレ…ねぇ………ぎゃははは!!ワタルひでーな!!ははは!!」
もう我慢出来なかった……腹が腹が……痛い…。
「アキラァ!!笑ってんじゃねーよ!!」



