なんとか6人が揃った。
そして…
「…見えたぞ。」
すぐ目の前に駅が現れた。
けど…
「うわ…やっぱり。」
警察が5人、駅をうろうろしていた。
「…どーする?」
「考え中だよ…。」
「へへ、こんな事もあろーかと……ちゃんと変装グッズ持ってきたぞ。」
どーするか悩んでいたら、ヨシトが口を開いた。
「じゃーん。」
そう言って得意気にカバンの中から取り出したのは…
「お前これ…パーティーとかで使うやつじゃねーか。」
ヨシトが手に持っていたのはパーティーで使うような……あのメガネに鼻と髭がついたアレだった。
「ふざけすぎだろ。」
心なしか全員の顔が引きつっている。
それでもお構い無しにヨシトは話を続けた。
「この鼻と…髭をっ!!ほら、取ってやればただのメガネの出来上がりーってか。」
ヨシトは満面の笑みでメガネだけになったアレをワタルに掛けた。
「…あとはこれ、親父愛用のジェル。」
唖然とする俺たちを無視して、ヨシトは手一杯に広げたジェルをワタルの頭に塗り込む。



