「急げ…急げ……。」
俺たちは街中を全力疾走している。
時折通行人が俺たちを見ているけど…
あぁー!!うぜぇ!!
なんなんだこの事態は!!
「ちょっとー!!」
1人で文句を言いながら走っていたら聞き覚えのある声がした。
「チカ!!」
横を見ると袋の中にケチャップを大量詰め込んだチカがいた。
「アキラからのメール見たら……てか、警察だらけよ!!」
「知ってる。だから裏道を走ってんだよ…。」
あとはヨシトか……ちゃんと来いよ…。
「もうすぐで駅だ。」
「けど…警察いるよな?」
なんとか警察に見つからずにここまで来れたけど…駅には絶対に警察がいるはずだ。
どーする…?
と、その時だ…
「しゃあぁあ!!」
という叫び声が聞こえた。
後ろを振り向くと……チャリに乗ったヨシトだ。
「てめーら置いてくんじゃねーよ!!寂しかったじゃねーか!!」
「……バーカ。」
こんな状況でも冗談が言えるヨシトを見た瞬間、少しだけ安心した。



