「…ほら、拭き終わった。」
「うん、ありがと。てか、怒らないでよー。」
「怒ってねーよ…。」
想像した以上にギャップがあって驚いてんだよ。
「あはは……手、べたべただね。」
確かに…溶けたアイスのせいで手がべたべたして気持ち悪い。
「洗いに行くか。」
「うん。」
俺たちは近くにあった水道まで行って、汚れた手を洗った。
「アーキラくん。」
「んー?」
アスカちゃんに呼ばれて振り返ったら…
パシャ…
「ぶぁっ!!冷てぇ!!」
水をかけられた。
「このやろー…。」
許さねぇ。
「仕返しだ!!」
パシャ…
「きゃっ!!」
水は見事にアスカちゃんにかかった。
「ちょっとー…女の子には優しく、だよ。」
「うるせー。」
アスカちゃんはなんだかんだ言いながらも楽しそうだ。
「この風景ってさ、周りから見たらカップルに見えたりするのかな?」
アスカちゃんがいきなりそんな事を言い出した。
「かもなー。」
俺は軽く返事を返したが、変に意識してしまった。



