「…あいつら、なんて?」


俺が携帯をしまった後、ワタルが話の内容を聞いてきた。

大体の内容は把握出来たらしく、険しい表情をしている。


そんなワタルに事情を説明すると、ワタルは複雑そうな顔をしながら口を開いた。


「……終わったな。」


この計画は失敗で俺たちの人生も破滅へと…。


ワタルは完全に諦めてしまっている。



「とりあえずあいつらのいる場所まで行こうぜ。まだ大丈夫かもしれねーしさ。」


「あぁ…。」



ワタルにそう言いつつも、俺自身…内心諦めている。



はぁ…


やらなきゃ良かったな誘拐なんて。










ファン…ファン…ファン…






「………ちっ。」




そう遠くない場所からパトカーのサイレンの音が聞こえた。



これから先、俺たちは捕まるまでこの音に怯えながら過ごさないといけないのだろうか。