「あっちぃーな。」
「マジでな。もう夕方だってのによー。」
外に出ると相変わらずの熱気が体にまとわりついた。
それでも時々吹く風が水分の残った髪に触れて気持ち良かった。
「あー…夏休みってあと何日だっけ?」
「20日くらいじゃねーの?」
「うげー…もう1ヶ月きっちまったのかよ。」
「全然宿題やってねー。」
「俺もー。」
俺たちは文句を言ったり他愛ない話をしながら道を歩いた。
と、その時だ…
「…ん?なんか落ちてるぞ。」
リョウが何かに気付いた。
「…どこにだよ?」
「あそこあそこ。」
そう言ってリョウは指差すが何も見えない。
「何もねーぞ?」
ワタルもヨシトも分からないのかリョウを疑った。
「見えねー?もう少し歩けば分かるって。」
そう言って足早に歩き出したリョウ。
「絶対ねーよ。」
そう言いつつ俺たちもリョウに付いていった。



